創業約160年。月桃香る「山城まんじゅう」が愛され続ける理由

創業約160年。月桃香る「山城まんじゅう」が愛され続ける理由
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沖縄の歴史と文化が色濃く息づく那覇市首里。かつて琉球王国の城下町として栄えたこの街に、琉球王朝末期から実に約160年もの間、変わらぬ製法で愛され続けている伝統の味があります。それが、那覇三大饅頭の一つに数えられる「山城(やまぐすく)まんじゅう」。
代々受け継がれてきた伝統の味を未来へ繋ぐ、6代目の山城杏奈(やましろ あんな)さんにお話を伺い、地元に愛され続け、今や世界の観光客をも魅了する人気の秘密に迫りました。

琉球王朝時代から続く、地域に寄り添う「変わらない味」

「山城まんじゅうは、シンプルなんです」と語る山城さん。 材料はきわめてシンプル!皮の生地は小麦粉と水だけ。あんこも、あずき、砂糖、水飴だけで作られており、保存料などの添加物は一切使われていません。 

茹で時間は2時間くらい。蓋を開けて様子をみながら茹で具合を確認します

小麦粉と水だけで練り上げる生地は、水分量が非常に多くて柔らかく、油断するとすぐに手にくっついてしまいます。これを毎日変わる気温や室内の湿度に合わせて水加減を調整し、粒あんとこしあんを独自にブレンドしたあんこを薄い皮で素早く均一に包み込んでいきます。 

1 つの竹の器(ヒラシェーマー)に約 50 個。包み方は先代から習った山城さん。

山城まんじゅうの唯一無二の味を生み出しているのが、沖縄で「サンニン」と呼ばれる月桃(ゲットウ)の葉。 平らに伸ばしたまんじゅうの下にこの葉を敷き詰めて蒸し上げていきます。 夏場は1日に4回ほど蒸しあげるそう。その度に使う月桃の葉にも地元から愛される山城まんじゅうならではのエピソードが。
月桃の葉は本島中部にある畑に毎週のように収穫に行っているそうですが、周辺の開拓など環境の変化で収穫に困った時期もあったそう。そんな時に声をかけてくれたのは、常連のお客様やお店近隣のホテルさん。「うちの持っていっていいよ!」と譲っていただき、お客様と地域との繋がりに助けてもらってるんですよ、と仰っていました。 

月桃の葉を丁寧に洗い、隙間なく敷き詰めていきます。

蒸し器にも強いこだわりが。先代から引き継ぎ何十年も大切にメンテナンスしながら使い続けている大釜の鍋を使い、その釜に合わせて職人さんに特注で編んでもらった「ヒラシェーマー」と呼ばれる竹の器にまんじゅうを並べ、一気に24分間蒸し上げていきます。 

蒸し器から漂う湯気と透き通ったまんじゅう。

蒸しあがったまんじゅうは、すぐに一緒に蒸した月桃の葉で包み、保温機へ。 お客様に出来立ての状態で楽しんでもらいたい、とまだ湯気がたつまんじゅうを丁寧に包んでいきます。 

 

出来たてを楽しんでもらいたい、その気持ちで1つ1つ丁寧に。

「レシピはあるけど、感覚でやっている部分も大きい。そこをしっかりデータ化して後世に残さないと。」と山城さんは言います。 

小豆は枡にたっぷり一杯。蒸し時間もまんじゅうの状態を見極めながら調整するなど、職人の経験と感覚で受け継がれてきた伝統を、山城さんは後世に残すためデータ化しました。 まんじゅうを蒸すときに使う竹の器「ヒラシェーマー」を作ることができる職人さんとの関係構築のために、本島北部地区のやんばるに出向くことも。歴史を重ねた道具を大切にメンテナンスして、大好きなこの味を残していきたいと微笑む山城さんがとても印象的でした。 

「以前依頼していた職人さんは、スマホ持ってなくて!会いに行くにも人伝いで大変なんですよ」と 笑う山城さん。手にはお義父さんが手作りした、あんこを混ぜるための大きなしゃもじ。

先代から引き継ぎ歴史を重ねた道具、地域の協力、そして職人の手仕事。このすべてが揃うことで、あの透き通る薄皮に包まれたあんこ、ふんわりと薫る上品な山城まんじゅうが完成するのです。 

この味を後世に繋いでいきたい、山城さんの新たな挑戦は続く

山城さんがお店に携わるようになったのは、首里城正殿が消失した2019年のこと。 そこに重なったコロナウイルスの拡大で、お店がある首里の龍潭通りの人通りは落ち着き、首里はもちろんお店にも大きな影響が生じました。 「お店を継いだ時はすでにイレギュラーな時だったし、この味が好きだから、なくなって欲しくない」そんな思いでお店を継いだ山城さん。
山城まんじゅうのために、山城さんの新たな挑戦は日々続いています。先代から続けてきた東京での物産展への出店に加え、2026年は大阪の阪急百貨店での物産店にも出店。また山城さんの旦那さんが営む国際通りにあるおもちゃ屋さん(Toys-A)での出張販売を行ったり、お店のオリジナル商品やコラボ商品を作ったりと、山城さんのスタイルで山城まんじゅうは伝統を守りながら新しい道を開拓し続けています。 

国際通り裏の浮島通りにある沖縄お土産Tシャツ屋【南洋幻想】とのコラボ商品を制作、販売。オリジナルグッ ズの販売も。

できたてを片手に、情緒あふれる首里の街へ

海外の若いカップルやYouTuberの来店も。「シンプルな素材だからこそ、山城まん じゅうの魅力を説明するのもちょっと苦労してます」と笑うあんなさん.

山城まんじゅうの賞味期限は、保存料を使っていないため「当日中」。店内で蒸し上がったばかりのあたたかい状態をすぐに味わうのが一番のおすすめ!
テイクアウトして、首里の歴史ある街並みをゆっくり歩きながら楽しむのも格別。時代が変わっても変わらない首里の自然と歴史、そして先代から受け継いだ山城さんのまんじゅう愛の思いがたくさん詰まった味を、ぜひ現地で味わってみてください。 

■ 店舗情報
【山城まんじゅう 本店】
住所:沖縄県那覇市首里真和志町1-58(モノレール「儀保駅」または「首里駅」から徒歩約15分、那覇バス9番線「山川二丁目」から徒歩5分)
営業時間:10:30〜16:00頃(売り切れ次第終了)
定休日:月曜日・木曜日

【桜坂 販売店 (Toys-A)】
住所:沖縄県那覇市牧志3-6-47(モノレール「牧志駅」から徒歩約10分分)
営業時間:13:00〜17:00(売り切れ次第終了)
定休日:月曜日・木曜日 

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