毎年旧暦の5月4日(ユッカヌヒー)になると、ハーレー鉦(かね)のカーンと甲高い音が鳴り響き、沖縄県の各地でハーリーが開催されます。この時期になると梅雨もあがり、かんかん照りの夏が訪れます。
ハーリーは豊漁と航海の安全を願って開催される伝統行事です。龍をイメージした爬龍船(はりゅうせん)という舟に多くの人が乗り込み、大迫力のレースを繰り広げます。 最近では、観光客からの人気も高まっており、特に「那覇ハーリー」や「糸満ハーレー」では、地元客と観光客が入り乱れ、会場は熱気に包まれます。 誰でも参加できるイベントも用意されているので、是非足を運んでみませんか。
「那覇ハーリー」は、毎年5月3日~5月5日に開催されます。 多くの観光客にも観ていただきたいということから、他ハーリーとは異なり新暦で行われます。 GW中に開催されることもあり、観光のついでに立ち寄れるのも魅力。毎年20万人もの人が訪れるといわれるほど、大規模なイベントとなっています。
那覇ハーリーの特徴は、爬竜船にあります。那覇ハーリーで使われる爬竜船は、42人もの人が乗れるほど大規模で、装飾も原色が多く使われており、色鮮やか。
那覇ハーリーでは、その爬竜船に乗れるイベントが用意され、予約の必要もなく、無料で誰でも参加できます。 もちろん、爬龍船に乗るだけでなく、実際に漕いで海上を進みます。体を使い、潮風と波を感じながら海を進んだ経験は、色鮮やかな記憶として残るはずです。
「糸満ハーレー」は、毎年ユッカヌヒー(2018年は6月17日)にあわせて開催されます。 糸満では、「ハーリー」のことを「ハーレー」と呼ぶ文化があります。昔は爬龍船のことを「ハレ(走るという意味の方言)ブネ」と呼んでおり、その伝統を守り続けているのです。 糸満は、昔ながらの伝統を守る街としても知られており、旧盆や旧正月を盛大に祝う文化も続いています。
糸満ハーレーでは、12人が乗り込めるサバニと呼ばれる爬竜船が使われ、地域対抗のレースや学校対抗のレースが行われます。 地元のおばぁ達のエネルギッシュな応援にも大注目!会場は毎年賑やかで、見ているだけでも元気をもらえます。
趣向を凝らした転覆バーレー(クンヌカセー)も見逃せません。 舟が転覆したときにどのようにたて直すか、その技術を競うため一度わざと転覆させた舟に乗り込み、水を掻き出しながらゴールを目指します。 海人(ウミンチュ*漁師という意味)の街、糸満だからこそ発展したレースだといえるでしょう。
そんな糸満ハーレーで伝統的に続いているのが、アヒル取り競争です。 その名の通り、海にアヒルを放ち、それを捕まえる糸満ハーレーの名物イベント。誰でも参加できるイベントとなっており、とても人気があります。 海も綺麗で安全管理もしっかりしているため、子どもでも安心して参加できます。海へ着の身着のまま飛び込みアヒルを捕まえれば、羨望の眼差しを集められるかも。一生忘れることのない思い出となるでしょう。
「那覇ハーリー」画像提供元:OCVB 「糸満ハーレー」画像提供元:糸満市商工観光課